マリファナ合法化

 数年前からマリファナ合法化のニュースとその是非について聞くようになりましたね。世界には合法である国、地域もあり日本人でもマリファナを吸ったことのある人は(実は結構)いるのではないでしょうか。昔、カンボジアを旅したときにゲストハウスに宿泊したのですが、夕食はゲストハウスが有料で提供してくれました(100円くらい)。夕食を食べ終わったあと、女主人はそれが当たり前のようにどんぶり大の器に入った乾燥大麻をドンとテーブルの上に置きました。当然無料です。外に当たり前に生えている草を乾かしただけだから。日本ではマリファナと覚せい剤の違いが分からない人も多いですね。作家のハンプトン・サイズ氏の文章を読んでマリファナのことを考えてみましょう。

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 中国では、大麻は何千年も前から薬として使用されてきた。またマリファナ(乾燥大麻)は米国の文化と関係が深い。米国では長年、大麻は合法的に栽培され、チンキ剤や抽出物の形で人々の身近にあった。

 それが、1930年代後半になって、マリファナが青少年に悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らす映画が次々に制作され、より依存性の強い麻薬へと導く「入口薬物(GETEWAY DRUG)」として、使用の禁止を求める運動が広まった。以後70年近く、大麻は違法薬物に指定され、医療分野での大麻の研究はほとんど行われなくなった。米国で大麻を研究すれば、犯罪者扱いされかねない状況だったからだ。

 だが、近年大麻の薬効が注目され、科学的な研究が再び行われるようになった。そして、この禁断の植物に秘められた驚くべき力が、次々に明らかにされつつある。米国の連邦法では現在もマリファナは違法薬物に指定されているが、米公衆衛生局長官を務めるビベク・マーシーは最近、予備段階の調査で「ある種の病気の症状」に大麻が有効な可能性が示唆されたとして、マリファナ研究の進展に着目したいと発言した。

 米国の23州と首都ワシントン(コロンビア特別区)では、すでに医療用大麻は合法化され、一部の州では嗜好品としての使用も緩和された。世論調査では、対多数の米国人が嗜好品としての解禁にも好意的だ。

 ほかの国々も大麻の規制を見直し始めた。ウルグアイでは大麻の栽培や売買が合法化され、ポルトガルでは非犯罪化されて条件付きで少量の使用が認められた。イスラエル、カナダ、オランダでは、政府が医療用大麻の製造販売を支援する計画を推進している。近年では、大麻の所持を容認している国も多い。

 米国ではこれまでに比べて入手しやすくなったが、大麻にはちょっと変わった作用があることも確かだ。①吸引すると笑いが止まらなくなったり、②じっと1ってんを見つめたり、③ふと記憶をなくしたり、④無性にジャンクフードを食べたくなったりすることがある。マリファナの過剰摂取で死亡した例は報告されていないものの、強力な作用があり、常習的に使用すると有害な場合があることは否定できない。

 だが一方で、痛みの緩和や睡眠導入、食欲増進といった効果を求めて大麻を使用する人も多い。不安や精神的なショックを和らげるとも言われ、鎮静剤や吐き気止め、気管支拡張薬、抗炎症薬としての利用も期待されている。

 大麻に含まれる数々の化学物質は「カンナビノイド」と総称されるが、これらの物質には人間の生体機能を調節する働きがあるのではないかと考える学者もいる。①脳を心的外傷から守る、②免疫機能を高める、耐えがたい体験をしたときに「記憶の消去」を助ける、といった働きだ。

 当局の規制の下で大麻の栽培や取引を合法化する動きが急速に進むなか、重要な問いがいくつか浮上している。①大麻の成分にはどのような作用があり、私たちの体と脳にどのような影響を及ぼすのか。②大麻に含まれる化学物質から、人間の神経系の機能を解明する手がかりが得られるであろうか。そして、③それらの化学物質から有用な新薬を開発することはな脳なのか。




 

2022 北海道公立高校入試分析チーム

分析を通じて来年の試験を予測 まずは北海道公立高校入試問題 次は国立高等専門学校(こうせん) オンライン家庭教師 北海道大学大学院法学研究科卒

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