幻の生き物 ユキヒョウ

僕は大学時代、東南アジアやインドを放浪した。就職という結論を先延ばす手段として海外に逃げた。安く逃げられる東南アジアやインドを選んだ。自分の知らない世界を知ることの楽しさを知った。今は日本で仕事をしているが、海外に逃げ出したい気持ちでいっぱいである。その気持ちを抑える手段としてナショナルジオグラフィック(ナショジオ)を読む。写真も豊富で読んでいる間は、現実逃避できる。今日は、ナショジオの記事(ピーターグウィン)を紹介しよう。

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 ここ、インド北部のスピティ谷にあるキバー村では、老いたユキヒョウは特に警戒される。険しい岩山に住むウシ科のアイベックスやバーラルといった野生の動物を狩るのが、年を取って難しくなると、ユキヒョウはヤギやヒツジ、ウマやヤクの子といった家畜を狙うようになるからだ。

 2月の寒い日の午後、私は絶壁の縁にうずくまって、そのユキヒョウを双眼鏡で見ていた。老いた雄は峡谷を挟んだ崖の岩だなの上でまどろんでいる。粉雪が舞うとベールをかけたように視界が遮られ、双眼鏡を握る手元が少しでもずれると、くすんだ地色にダークグレーの斑点がある毛皮は、岩肌の陰影に溶け込んで見えなくなってしまう。

 「しまった、また見失った」とつぶやくと、写真家のプラセンジート・ヤタブがカメラから顔をあげ、指で示す。その先にユキヒョウはいた。

 この雄は言ってみればプラセンジートのユキヒョウだった。地元のガイドの中には実際そう呼ぶ人もいた。目撃情報が入ったとき、ガイドがプラセンジートに向かって左耳を指しながら「君のだ」と言うのを聞いたことがある。

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 どうです、出だしを読むだけで別世界に行けるでしょう。プラセンジートとユキヒョウの関係はどうなるのか、先が気になるでしょう。続きを読んでみましょう

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 プラセンジートはこの2年間、標高の高いスピティ谷で自分の足とカメラトラップ(自動撮影装置)を駆使して、この雄を追いかけてきた。私たちはこれから数週間にわたり、峡谷を下ったり、雪深い峠を越えたり、凍った崖をよじ登ったりしながら、50キロ近い距離を歩いてユキヒョウを探す予定だった。

 だが、標高4200メートルのキバー村に到着したその日、高地にまだ慣れずにもうろうとする私の目の前に、その老いたユキヒョウは現れてくれたのだ。

 大学時代に、米国のナチュラリストであるピーター・マシーセンが書いた「雪豹」を読んで以来、私はこの幻のような生き物を何とかして見てみたいと思うようになった。マシーセンが果たせなかった夢を果たしたいという思いもあったかもしれない。彼は1973年に、高名な生物学者のジョージ・シャラーとともに、2か月にわたってネパールの山岳地帯を旅した。そして様々な痕跡を目撃したものの、ユキヒョウそのものを見ることはできなかった。シャラーは当時、野生のユキヒョウを見たことのある、二人しかいない西洋人のうちの一人といわれていた。1970年に彼が撮った写真は、自然の生息地におけるユキヒョウを初めてとらえたものとされている。そしてその後20年以上にわたって、それがこの謎多き孤高の動物を野生下でとらえた、たった1枚の写真とされてきた。

 だから、ユキヒョウをようやく目にできたそのとき、私の耳に入ってきた音が20台を超すカメラのけたたましいシャッター音だったというのは何とも皮肉な気がした。その短い時間だけで、数百枚もの写真が撮られていたのだ。この崖には、私たちのほかにも世界各地から来た観光客がいて、多くの人が効果な望遠レンズを付けたカメラを必死に覗き込んでいた。

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 さて、今日はここまで。テクノロジーも登山技術も発達した現代、どこでも人間はいるようですね。

昔、カンボジアの田舎を旅したとき、ぜーったい、旅人なんかいない田舎にも日本人とドイツ人とフランス人はいたのには驚いた。フランスはカンボジアの旧宗主国だからフランス人がいるのはまぁ分かる。日本人とドイツ人はほんとどこにでもいる(ツアー客じゃなく、旅人ね)。しかも、へき地にいる旅人は決まって偏屈というか、普通じゃないオーラが出ている。まぁ、普通に生きていれば絶対来ないようなとこに来るような人だから、普通ではないのは当然か。

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2022 北海道公立高校入試分析チーム

分析を通じて来年の試験を予測 まずは北海道公立高校入試問題 次は国立高等専門学校(こうせん) オンライン家庭教師 北海道大学大学院法学研究科卒

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