北海道公立高校入試[数学2020]

講評

 例年に較べて、思考型の問題が増えましたね。相変わらず[1]の計算問題等は簡単なんですが、[2]以降は考えることが必要です。

 今年は確率の代わりに順列が出題されました。落ち着いて樹系図を書ければ答えはでます。確率で学んだ樹系図を用いるのです。

 作図も若干難易度が上がりましたね。分度器を使わずに30度の角度を取らなければなりません。正三角形の角度は60度ということにピンと来るかが勝負です。ちなみに数学ではこのピンと来るかどうかが肝となります。どうやったらピンと来るようになるか?それは普段から数学の問題にあたかもゲームで遊ぶように取り組むことです。難問であるほどクリアした楽しさがあります。絡まったヒモをとく感覚にも似てますね。

 [3]次に北海道旗の問題。こんなの誰も解いたことはありません。でも泣かないで。中身は簡単だから。単なる割合と比の問題。小学生レベルの問題です。パッと見の難しさに騙されないこと。ゲームを楽しむこと。

 カレンダー問題。北海道、カレンダーが好きですよね。問1は足し算に過ぎない。楽勝。問2、資料から規則性を発見する問題です。普段から数学をゲームの如く楽しんでいる人は少し考えれば解けますね。逆に数学を義務感でやっている人はおそらく地獄の問題。ここではまったら時間切れで終了となる怖い問題。「時間がかかりそうだ」と思ったら次に進むことです。ここで3分以上使うと他の問題に支障がでます。要は捨てるべきかどうかの見極める能力が試されているともいえますね。

[4]毎年出題される二次関数です今年は例年と異なり放物線が下に開いた形で驚いた人も多いでしょう。しかし、ここの難易度は下がりましたね。二次関数を通じて線対称の理解を聞いているだけのシンプルな問題です。従来の難易度が高かった分野は易化させ、平易な分野の難易度を上げることで全体のバランスをとっていることが分かります。ちなみに私の予想ですが、来年はコロナの影響で出題範囲が狭まったこともあり、知識を問えないことから思考型の問題がかなり出題されると思います。普段から数学というゲームを楽しむことが必要です(計算問題ばかり練習していても点数には直結しないでしょう)。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


1.「次の問いに答えなさい。」

 問1「(1)~(3)の計算をしなさい。」 

単純な計算問題。計算ミスだけはないように注意。試験時間の残り10分はケアレスミスを探し出すための時間です。つまり純粋に試験の時間は40分だけです。この短い時間で解答する訓練をしなければなりません。そのために学力テストを受けるのです。


 問2「絶対値が4である数をすべて書きなさい。」 

初出題です。絶対値って知ってるというだけの問題。要するに数学で出てくる概念の定義はきちんと理解して覚えておきましょうというメッセージです。整数とは?自然数とは?ということもきちんと理解して覚えておけよということです。このようなメッセージを受け取り学習指標となるため過去問は早めに手に付けなければなりません。これが過去問の使い方です。直前に腕試しでとくものではありません。それは模擬試験の役割です。ちなみに絶対値とは数直線上で、ある数に対応する点と原点との距離のことです。


 問3「下の表は、A市における最高気温を1週間記録したものです。中央値を求めなさい。」 

毎年ここで代表値が出題されるので過去問を検討している人はやっぱり来たかという感じですね。今年は中央値でしたね。ちなみに裁量問題でも代表値が出題されておりいかにここが重要視されているかが分かります。来年は出題範囲が狭まったこともあり、代表値の難易度は上がると思います。度数分布表、階級値、平均値、中央値、最頻値の意味をきちんと理解し人に説明できるくらいのレベルにしておきましょう。これは難しい問題を解くという意味ではありません。教科書と学校ワークをしっかり理解するということです。A市とはどこでしょうね。金曜日は21.6°と涼しいのに木曜日は34.2°もあり暑いですね。気温差が大きいです。北海道の内陸部ですかね。


 問4「下の図のような正三角錐OABCがあります。辺ABとねじれの位置にある辺はどれですか。書きなさい。

」 

ねじれの意味を理解してる?という問題です。ねじれの位置とは、空間で平行ではなく交わらない2直線の位置関係のことです。定義さえ覚えておけば現場で考えることができます。数学が苦手な人はモワッと理解しているだけなので、問題を解いても自信がないのです。定義を覚えればカチっといけます。来年以降はねじれではなく「下の図の立体図形で辺ABと垂直な辺をすべて答えよ」とくる可能性が高いですね。


 問5「YはXに比例し、X=2のとき、Y=-6となります。X=-3のとき、Yの値を求めなさい。」 

比例といったらY=aX。原点を通る直線です。1年生で習う分野です。数学の勉強の仕方ですが、比例を学んだら一次関数を学ぶ、そして二次関数を学ぶ。この順番が大切です。すなわち同じ分野は一気に学習すること。頭が整理されます。良くないのは、1年生の分野全部やったあとに2年生の分野全部、それが終わったら3年生の分野。これだと二次関数のときに比例について忘れてしまいます。二次関数の基本は比例なのです。ちなみに1年生の比例すら分からないなら小学校5年生で習う「2量の変わり方」と「比例の関係」を復習すると良いです。小学生の参考書は机に置いておきましょう。中学受験レベルの問題は公立高校入試でも役に立ちます。北海道が好きなカレンダー問題や割合は小学生で習うことです。


 問6「下の図のように、線分ABを直径とする半円があり、AB=5㎝とします。弧AB上に点Cを、BC=2㎝となるようにとります。このとき線分ACの長さを求めなさい。」 

円で直径ときたら、円周角の定理により90度とピンときます。90度ときたら直角三角形とピンときます。直角三角形ときたら三平方の定理とピンときます。そしたら解けます。このように数学ではある言葉を見たらピンとくることが肝となります。そのためには学校ワークを繰り返し解いて深く理解することです。ピンとくる感覚、証明で特に要求されますね。ここでも円周角の定理とは~と定義を覚えておくことです(一つの弧に対する円周角の大きさは一定で、その弧に対する中心角の半分である)。定義のどこがポイントなのかを考えながら覚えることです。


2.「次の問いに答えなさい。」

ここから少しづつ差がつくところです。

 問1「X=1、Y=-2のとき、3X(X+2Y)+(X+2Y)の値を求めなさい。」 

パッと見ると(X+2Y)が共通しますよね。そしたらこれを一つの文字Aにでも置き換えて計算することです。数学では共通のものがあったら単純な文字に置き換えて式を単純にします。複雑なものを単純にするのが数学です。本問だと3XA+yAという式になります。これを共通のAでくくるとA(3X+y)となります。Aを(X+2Y)に戻すと

(X+2Y)(3X+y)になりこれに数字を代入します。楽です。


 問2「下の図のように、2種類のマーク♠♦のカードが4枚あります。この4枚のカードのうち、3枚のカードを1枚ずつ左から右に並べるとき、異なるマークのカードが交互になる並べ方は何通りありますか、求めなさい。」 

いつもここでは確率が出題されるのですが、今年は順列でした。といっても樹形図を書いて数えるだけなので確率より簡単かもしれません。小学校低学年でも解ける問題です。来年は確率に戻るでしょう。


 問3「下の図のような△ABCがあります。辺BC上に点Pを、角PBC=30度となるようにとります。点Pを定規とコンパスを使って作図しなさい。ただし、点を示す記号Pを書き入れ、作図に用いた線は消さないこと。」 

例年、作図は単純問題ばかりだったのですが、今年は少しだけ難易度が上がりました。分度器を使わずにコンパスだけで30度をとらなければなりません(もっとも作図での定番問題なので普通に勉強している人は、あっあれかといった感じ)。30度は60度の半分です。60度といえば正三角形です。とすれば正三角形を書いて、角の二等分線で30度になります。来年は45度を聞かれるかもしれません。これな垂直(90度)を書いて二等分線を引けばよいのです。たしかA試験で問われてたかも。


 問4「下の資料は、北海道旗(道旗)の大きさの基準についてまとめたものです。次の問いに答えなさい。」 

一見だれも解いたことのない問題です。こんなの習ってないよという人がいると思いますが、単純な割合の問題です。小学校の5年生で習います。見た目は初めてでも中身は知っているものです。試験とはこういうものです。見た目も全く同じ問題を出してしまうと、頭を使うテストではなく単なる暗記テストとなってしまうのでそのようなことはしません。

 (1)「道章の直径をa㎝とするとき、道旗の縦の長さは何㎝ですか、aを使った式で表しなさい。」

道章がなんなのか、道旗がなんなのかをまずは理解しましょう。道章が道旗の7分の5倍なら道旗は道章の5分の7倍となります。これを迷った人は小学校5年の割合の復習をしましょう。数学は小学校の算数の続きなので、このように分からないところがあったらきちんと戻らないと永遠に理解できないんですよね。これは高校生になっても同じです。高校生になっても必要なら小学生の勉強まで戻ります。戻る、これが勉強のスタンスです。量を増やすのではないです。ちなみに、本問の必要知識としては、

比べる量=割合×元にする量 という小学校で学んだ公式です。

道旗の縦の長さ(比べる量)=7/5×a㎝です。


 (2)「面積が9000㎠である道旗の縦の長さは何㎝ですか。道旗の縦の長さをx㎝として方程式を作り求めなさい。」

 縦の長さをxとしたら横は3/2xとなります。これも割合です。あとは面積なので縦×横です。x×3/2x=9000を解くだけです。二次方程式です。


3. 「次の問いに答えなさい。」


ほんと北海道はカレンダー問題が好きですね。入試問題作成者にカレンダー好きがいるんだろうな。来年以降もカレンダーを利用した問題は出そう。

 問1 「下の図は、2020年 9月と12月のカレンダーです。2020年だけでなく、毎年、9月と12月は、1日から30日までの曜日が同じです。このことを、次のように説明するとき、ア~ウに当てはまる整数をそれぞれ書きなさい。」

一週間は7日であること。その前提知識は誰だってある。今日の日に+7日をすれば同じ曜日になります。つまり今日の日に7の倍数を足していけば今日と同じ曜日になります。これだけ。


 問2「下の資料は、2020年から 2032年までの、1月1日の曜日とうるう年(2月29日がある年)である年をまとめたものです。2021年から2100年までの間に、2020年と1年間の

すべての日の曜日が同じになる年をすべて求めなさい。」 

とても単純な規則性の問題です。小学校でやります。中学受験をした人は馴染みが深いですね。しかし、中学ではどうでしょうか。入試で出すくらいなら教科書でもきちんと取り扱うべきだと思いますね。パッと見苦手な人は捨てても良い問題です。というのはこれは慣れていないとドツボにはまりかなり時間がかかります。

着目すべき点は、2020年はしょっぱなが水曜日で且うるう年という点です。これと同じ年を探すというものです。問題文の資料がどのような規則になっているのか考える必要があります。暗号を解くのが好きな人はこういう問題は好きでしょうが、自宅で楽しむのと入試本番ではわけが異なりますね。規則①うるう年は4年に一度、②うるう年の次の年は曜日が一個飛ばしということです。そうすると次は2048年が2020年と全く同じ(うるう年かつ水曜日)となります。つまり③28年後という規則です。とすればその次は2048年+28年後=2076年です。その28年後は2100年をオーバーしてしまうので外れとなります。ちなみにうるう年は4年に一度なので4の倍数がうるう年になるのですが、4の倍数であっても100の倍数ならうるう年ではありません。すなわち2000年や2100年は4の倍数ですが、100の倍数ですのでうるう年ではありません。本問では100の倍数はないので関係ないですが念のため。


4. 「下の図のように、二つの直線、y=1/2x二乗...①、y=-x二乗...②のグラフがあります。①のグラフ上に点Aがあり、点Aのx座標をtとします。点Aとy座標について対称な点をBとし、点Aとx座標が等しい②のグラフ上の点をCとします。また、②のグラフ上に点Dがあり、点Dのx座標を負の数とします。点Oは原点とします。次の問いに答えなさい。」

毎年必須の二次関数。下向きの放物線なんてここ数年ありませんでしたね。普段見てないものが出たら簡単だと思った方が良いです。例年の二次関数の問題に比べるとかなり簡単です。おそらく思考型の問題が増えて時間がかかることを考慮し、ここは簡単にしたのだと思われます。

 問1「四角形ABCDが長方形のとき、点Dの座標を、tを使って表しなさい。」 

 長方形って何ですか、という理解と線対称の理解が必要です。ここは確実にとりましょう。

 問2「t=4とします。点Cを通り、傾きが-3の直線の式を求めなさい。」

  一次関数の問題。Y=-3X+bに点Cの座標を入れるだけ。絶対とりたい。

 C(t、-t二乗)なので、-t二乗=-3t+bの式になります。これにt=4を代入します。-4の二乗は-16であることに注意(カッコがないので+ではない)。


 問3「2点BCを通る直線の傾きが-2となるとき、点Aの座標を求めなさい。」 

 またもや一次関数。傾きが-2なのでY=-2x+bの式となります。

この式にB(-t、1/2t2乗) C(t、-t2乗)を代入して連立方程式を解けばtの値がでます。そしたらこれをA(t、1/2t2乗)に入れておしまい。または、

傾きが-2なのでXの増加量分のYの増加量で求めてもよいです。Xの増加量はt-(-t)です。Yの増加量は-tの二乗-1/2tの二乗です。Yの増加量/Xの増加量=-2の一次方程式を解けばtの値がでます。そしたらAの座標(t,1/2t二乗)に代入するだけ。


5.「下の図のように、❶△ABCの辺AB上に点D、❷辺BC上に点Eがあり、❸角BAE=角BCD=40°とします。❹線分AEと線分CDとの交点を点Fとします。次の問いに答えなさい。」


1 「角AFC=115度のとき、角ABCの値を求めなさい。」

角BAE=角BCDということなので円周角の定理の逆により四角形ACEDは円に内接することになります(問2の伏線になってます)。問題文の情報はどんどん図形に書き込みましょう。そうすれば円周角の定理を使うということに気付きます。気付かない人は圧倒的に勉強が足りてません。角AFC=115度なので三角形の内角と外角の関係より角AECは75度となります(角FCE+角CEF=115度)。円周角の定理により角ADCも75度となります。三角形の内角と外角の関係により角ABCは35度となります(角DCB+角CBD=75度)。

 問2「△ABC∽△EBDを証明しなさい。」 

相似の問題。公表の解説はとても分かりにくいですね。ここはとてもシンプルにいけるのです。シンプルなのに難しく考えるのはアホの証拠です。まる①角Bは共通の角。これを書くだけで部分点がきます。最後まで証明できなくても出来る範囲で考えたことを書くこと。②問1で言及したように四角形ACEDは円に内接します。とすると一つの内角と対角の外角は等しいので角C=角BDEとなります。以上より二角が等しいので相似です。円に内接する四角形の性質はここ数年出題されてなかったですね。高校でもたくさん学ぶとこなのでこれからも入試で出題されるでしょう。


学校裁量問題

 問1「次の問いに答えなさい。」 

例年の裁量問題と異なりかなり平易化しています。

  (1)「太郎さんは60m/mで歩いて中学校から図書館まで行き、図書館で調べものをした後、同じ道を同じ速さで歩いて図書館から中学校まで戻ってきました。下の図は、このときの中学校を出発してからの時間(x分)と中学校からの道のり(ym)の関係を表したグラフです。ただし図書館の中での移動はないものとする。次の(1)(2)に答えなさい。」

 道のりを求める問題であり、小学生でも解けますね。これは何を意味するかと言うと、公立高校の入試範囲に小学校の学習も含まれますよということです。実際2020年の入試ではうるう年についてのカレンダー問題が出題されました。これは時間の計算という小学校で学ぶ単元です。数学の勉強は中学生の範囲だけでなく小学生の範囲も含まれます。必ず勉強してください。数学の理解も深まりますよ。

  (2)「太郎さんは全体の所要時間を変えずに、同じ道のりで中学校から図書館まで行き、30分間滞在して中学校に戻ってきたいと考えました。そのために、往路の速さを復路の2倍とすることにしました。。このときの往路の速さは毎分何mですか、もとめなさい。」

「往路」「復路」という言葉に聞き馴染みのない人もいると思います。行きと帰りということです。そのように表現すればいいのに不親切だなと思います。皆が正月の箱根駅伝を見ているわけではないのに。まぁ、文章を読めば意味は分かるでしょう。そうです、文章を読んで何を言っているのかきちんと理解することです。本問だと①全体の所要時間を変えないことから80分となります。②図書館に30分滞在することから残り時間は50分となります。③移動時間は50分となり、行きは帰りの速さの2倍とのことです。単純な方程式ですね。1800/2X+1800/X=50。


 問2「図書委員である桜さんは、自分のクラス25人に対して、夏休みと冬休みに読んだ本の冊数をそれぞれ調査しました。図1は夏休みの調査結果をヒストグラムにまとめたものです。次の(1)(2)に答えなさい。」 


代表値は毎年必ず1で出題されていますが、今年から裁量問題にも出現しました。これは当然のことです。今はデータ社会です。代表値くらい理解しておかないと世の中の動きを数値で読むことができなくなりますから。ヒストグラムが何なのか必ず復習すること。なぜなら来年以降も必ずでるから。

  (1)夏休みに読んだ本の冊数の平均値を求めなさい。

 計算ミスに注意。それだけ。冊数の合計を出して、人数で割る。小学生の分野です。


  (2)「図2は、冬休みの調査結果をヒストグラムにまとめたものですが、7冊から9冊の部分は未完成となっています。また、下の資料は、桜さんが、桜さんが夏休みと冬休みの調査結果から分かったことをまとめたものです。資料をもとにして、解答用紙に未完成の部分を書き入れ完成させなさい。

推理のような問題ですね。中学受験を経験している人は推理問題は馴染みがあると思います。他方、普通の公立中学ではこのような推理問題は授業でやらないのに、本番の入試で推理を出すのはどうかと思います。推理問題を出すのなら、当然授業でも推理問題をやって、推理能力を上げるのが当然です。とはいえレベル的には難しくはないです。資料をみましょう。①冊数の範囲は同じなので0冊~10冊です。②平均値は同じなので6冊です。ということは全部で25人×6冊で150冊になります。③中央値は8冊。すなわち25人の真ん中は13人目ですが、その人が8冊ということです。④冬休みは6冊の人も0人です。これを読み込めれば答えは出ます。1冊から人数を数えていくと5冊目までで11人となります。そして④6冊目は0人なので7冊目が一人で12番目、③8冊目に13人目が来ます。8冊と9冊が何人か分からないのでそれぞれXYとします。とすると②全体で150冊なので8X+9Y+74冊(8冊と9冊以外の冊数の合計)=150冊 整理すると

8X+9Y=76冊 X=5 Y=4となります。


 問3「下の図のように、❶線分ABを直径とする半円があり、❷AB=8㎝とします。❸弧AB上に点Cを、角ABC30度となるようにとります。❹線分AB上の中点を点Dとし、❺点Dを通り線分ABに垂直な直線と線分BCとの交点をEとします。次の(1)(2)に答えなさい。」

  (1)「線分DEの長さを求めなさい。」

❺DEとABは垂直となるので三角形EDBは直角三角形となりますね。90度のマークがついており親切すぎるなとは思いますね。とすると90度、30度となるので残りは60度となります。この三角比は1:2:√3となりますね。DBの√3のところが4㎝となることは問題文から分かります。√3で4なのでDEの1は...というように割合的思考で考えます。または、△ABCと△DBEが相似なので相似比を利用して解くこともできます。


  (2)「△CDEを、線分ABを軸として1回転させてできる立体の体積を求めなさい。ただし、円周率はπを用いなさい。」

裁量問題の最後はいつも難問で解けなくても仕方がないという問題が多かったのですが、今回は楽でした。平面図形を回転させてできた立体図形の体積を求めるという誰もがやったことのある問題でしたね。考え方としては点Cから垂線をひきADとの交点をFとします。CFBを回転させた図形からCFDを回転させた図形を引くだけのことです。ポイントは三角形CADは正三角形であることですかね。円周角の定理により角ACB=90度、三角形BDCは二等辺三角形(辺BD=辺CD)なので角DCBも30度となります。とすると角Cは90-30=60度となります。辺CD=辺AD(二等辺三角形)で底角が等しいので角Aも60度となります。とするとのこりの角Dも60度となり正三角形となります。とすると辺CFは正三角形の縦の長さとなり三平方の定理なり三角比なりでその長さがでます。ここまで考えることができれば答えは出たようなもんです。あとは計算ミスがないように。今年は以上です。超難問と超簡単な問題が減った(1は簡単)ことで全体として問題のレベルが均質化しましたね。全体的に思考型の問題に傾斜しました。このような問題傾向からすると、計算問題のような頭をあまり使わない問題をひたすらやっても効果はないです。文章問題や図形やグラフの問題をあーでもない、こーでもないと頭を使って、ゲームを解くかのように楽しむと良いです。数学を楽しむ人が有利な形式になっています。数学を楽しみましょう。

2022 北海道公立高校入試分析チーム

分析を通じて来年の試験を予測 まずは北海道公立高校入試問題 次は国立高等専門学校(こうせん) オンライン家庭教師 北海道大学大学院法学研究科卒

0コメント

  • 1000 / 1000